2005年11月10日
トーノZEROアニメ感想ポケットモンスター total 3425 count

全く油断のできない作品だ! ミドルエイジクライシスを描いた中年のための傑作か!?

Written By: トーノZERO連絡先

 謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!

 今日のポケモンAGの感想。

サブタイトル §

「ライバルはサラリーマン!?」

あらすじ §

 ハルカは、ポケモンコンテスト、ジルバ大会に出場します。

 そこにはサラリーマンのオガタも出場します。

 オガタは、ロックンローラーのコスチュームに着替えて皆を驚かせます。

 オガタの演技中に、妻ヨシエと、息子のヨシトがステージ上に押しかけ、世間体に悪いからすぐ馬鹿なことをやめろと言います。

 しかし、オガタはいかにポケモンコンテストに価値があるかを訴えかけ、人々を感動させます。

 オガタは演技を続け、ハルカと決勝を戦います。

 それを見たヨシトは父の知られざる格好良い姿に驚き、オガタが格好良かった昔を思い出します。

 ハルカは勝利し、ジルバリボンをゲットします。

 オガタ、ヨシエ、ヨシトは家族らしく暖かく3人揃って帰って行きます。

感想 §

 ハルカ、いい顔をするようになりましたね。

 ずっと見守ってきた甲斐があるというものです。これは見続けた者だけが感じることができる特権的な楽しみですね。

 さて、今回は珍しく観客席にサトシがいるような気がします。何となく、ポケモンコンテスト中というと、サトシは会場の外で特訓しているような印象があって、ちょっと新鮮かも?

とかいう感想を書いてる場合じゃないぞ! §

 これは凄い。

 何が凄いといって、今回の事実上の主役はオガタです。

 オガタは、妻も子もあるサラリーマンの中年です。

 仕事もそれなりに順調にやっているようです。

 しかし、精神的に限界に突き当たったようですね。

 それを突き抜けるために、若い頃着たロックンローラーのコスチュームを身につけ、ポケモンコンテストに出ます。

 これは、ミドルエイジクライシスという問題を描いているように見えます。

 といっても、それが何か詳しく知っているわけではありませんが。

 どうやら、映画Shall We Dance?で描かれたことを、アメリカではそう呼ぶようです。

 実際、この映画と今回の内容は似ています。

 この映画では、妻も子もある中年サラリーマンが、家族に内緒でダンスを習います。そして、ダンスの大会のステージ上で踊っている夫を見て、妻と子供が驚くわけです。今回の内容は、妻も子もある中年サラリーマンが、家族に内緒でポケモンコンテストに出ます。そして、ステージ上で演技する夫を見て妻と子供が驚くわけです。

 更に言えば。

 ポケモンの視聴者層がどのあたりか正確に知りませんが、比較的低年齢の子供達や若い女性が多いような気がします。しかし、オガタも、ヨシエも、ヨシトも、これらの層とは全く重なりません。アニメには、お父さん、お母さんにアピールするという戦略もありますが、低年齢層の子供のお父さん、お母さんにアピールするには、オガタやヨシエの設定年齢はやや高すぎるように思われます。

 それにも関わらず、このようなエピソードを作り、しかも泣かせる暖かい良い話にまとめあげ、誰が見ても納得する水準にして送り出してくる大胆さ。

 好きですね~。

 更にもう1つ。

 オガタとハルカの決勝戦で、オガタは敗北します。

 しかし、オガタの立場からすると、この敗北はハッピーエンドなのです。なぜかといえば、次こそは勝つぞという張り合いを獲得することができたからです。日常を生きる張り合いこそが、勝ち取るべき真のトロフィーです。それは勝つことよりも、ずっと価値があるものです。

 つまり、実は負けることが価値ある世界ということです。

今回の名台詞 §

司会者「コンテストは走り出したら止まらないぞ」

 リリアンさんも好きですね~。

 乗りが良いし。

 プロ根性もあるし。

 セクシーだし。

 相変わらず、足だけはちゃんと色を変えて素足ではなくストッキングとして描いているし。